「スマホだけで簡単に稼げる」「この方法なら必ず儲かる」。SNSの広告や動画、あるいは久しぶりに連絡をくれた知人から、こうした話を聞いたことはありませんか。
家計が気になるときや、家にいながら収入を増やしたいと考えているときほど、つい続きを聞いてみたくなるものです。
ただ、「必ず儲かる」とうたう話の中には、最初から高い料金や契約を結ばせることが目的のものがあります。
この記事では、消費者庁・国民生活センター・金融庁・警察などが公開している注意喚起の内容をもとに、副業・情報商材・人からの紹介で広がる儲け話のよくある流れ、見分け方、払ってしまったときの動き方をまとめます。
「必ず儲かる」話とは|よくある流れ
儲け話の入口はさまざまですが、少しずつ期待を高めてから大きな支払いへ進む流れが多いとされています。よく案内されている流れは次のとおりです。
- 手軽さを強調して近づく:「スマホで1日数分」「知識がなくても大丈夫」といった広告や、知人からの「いい話がある」という連絡から始まります
- 安い入口で信用させる:無料の動画や、低い価格の教材・マニュアルを買わせ、「これなら自分にもできそう」と思わせます
- 個別に話を進める:LINEや電話、カフェでの面談などに移り、「本当に稼ぐには」と続きの話をされます
- 高額な契約を勧める:サポートやコンサルティング、上位の教材、商品の仕入れなどの名目で、高い料金の契約を勧められます
- 支払い方法まで案内する:「手元にお金がなくても大丈夫」と、借り入れやクレジットカードの分割払いを勧められることがあります
- 思ったとおりにならない:教わった方法では収入が得られず、解約や返金を求めても連絡が取りにくくなります
また、「人を紹介すれば紹介料が入る」と、知人や家族を誘うように勧められる形の話もあります。商品や権利を買って、さらに人を勧誘していく取引(連鎖販売取引、いわゆるマルチ商法)は、法律で厳しい決まりが設けられています。
こんな言葉・誘い方が出たら要注意
注意
- 「必ず儲かる」「損はさせない」:収入や利益が約束される話はなく、言い切っている時点で危険なサインです
- 「誰でも」「スマホだけで」「すぐに」:手軽さばかりが強調され、何をして収入を得るのかの説明があいまいなことがよくあります
- 「今日決めれば」「残り数名」:急がせるのは、考えたり家族に相談したりする時間をなくすためです
- 「借りてでも始めるべき」:借金をしてまで払わせようとする誘いは、相手の都合を優先しているおそれがあります
- 「人を紹介すれば元が取れる」:自分の支払いを取り戻すために、身近な人を誘う流れにつながりやすくなります
- 「まだ誰にも言わないで」:家族や友人に相談させないよう求めるのも、よく見られる特徴です
注意
「必ず儲かる」と言われたら、その場では返事をせず、契約書へのサインや支払いの前にいったん手を止めて相談してください。断ることは失礼でも損でもありません。
見分け方|契約・支払いの前に確認すること
1. 何をして、どこからお金が入るのか
まず、「何の作業をして、誰からお金が支払われるのか」を、自分の言葉で説明できるかを確かめます。
仕組みを聞いても説明があいまいなまま、「まずは始めてみれば分かる」と言われる話は、いったん立ち止まる合図です。
説明を求めても「成功した人の声」や収入の画面ばかり見せられる場合も、同じように注意が必要です。
2. 相手の会社と、契約の中身
会社名、住所、電話番号、責任者の名前が書面やサイトに書かれているかを確かめます。通信販売や、仕事をあっせんすると言って商品を売る取引などには、事業者が示すべき事項が法律で決められています。
投資や資産運用の話であれば、金融庁の公式サイトにある登録業者の一覧で、相手が登録を受けているかを確かめるのが基本の方法です。
契約書や申込みの画面は、料金の総額、支払い回数、解約や返金の条件まで読み、分からない点はその場で決めずに持ち帰ります。
3. 支払いの方法と、渡す情報
借り入れやクレジットカードの分割払いを勧められていないか、個人名義の口座への振込を求められていないかを確かめます。
また、身分証の画像や口座の情報、カードの番号などを早い段階で求められたときも、渡す前に一度手を止めます。お金と情報は、一度渡すと取り戻すのが難しくなるためです。
もし払ってしまった・連絡してしまったら
払ってしまったと気づいたときは、自分を責めるより先に、次のことを落ち着いて進めます。
- これ以上払わない:「サポートを続ければ取り戻せる」「上位のプランなら稼げる」と言われても、追加の支払いには応じないようにします
- 記録を残す:広告の画面、やり取りのメッセージ、契約書、振込やカードの利用の記録などを、消さずに保存します
- 契約を取り消せるか確かめる:取引の種類によっては、一定の期間内であればクーリング・オフができる場合があります。期間や方法は取引によって違うため、早めに相談します
- 支払い先に連絡する:カードで払った場合はカード会社に、振り込んだ場合は自分の銀行に、早めに事情を伝えます
- 公的な窓口に相談する:消費生活センターや警察の相談窓口などに相談します
ポイント
「払ったお金を取り戻します」と持ちかける別の業者からの連絡にも、注意が呼びかけられています。相談先は、自分で調べた公的な窓口を選ぶと安心です。
家族・身近な人を守るために
儲け話は、年齢や暮らし方に関係なく届きます。今日できることとして、次のようなことを家族で話しておくと安心です。
- 「儲け話を聞いたら一度見せてね」と伝えておく:責めない約束をしておくと、恥ずかしがらずに相談しやすくなります
- 契約やお金を借りる前に家族へ連絡するルールを決める:特に、その日のうちに決めるよう言われたときは、一度連絡を入れると決めておきます
- 知人からの誘いも同じように確かめる:相手が親しい人でも、本人もだまされていることがあります。人を疑うのではなく、話の中身を確かめる姿勢でいると、関係を壊さずに断りやすくなります
よくある質問
最初に買った教材は数千円でした。この程度なら様子を見ても大丈夫ですか?
安い入口から始まり、そのあとに高額な契約を勧める流れがよく知られています。最初の支払いが少なくても、次の支払いを求められたら、決める前に相談してください。
誘ってきたのが友人なので、断りにくいです。
「家族と相談してから決めることにしている」「契約はその場でしないと決めている」と、自分のルールとして伝えると角が立ちにくくなります。友人自身が困っている場合もあるため、公的な相談窓口があることを伝えるのも一つの方法です。
本当に怪しい話なのか、自分では判断がつきません。
判断がつかないのは珍しいことではありません。消費者ホットライン「188」に電話すると、近くの消費生活センターなどの相談窓口につながります。投資や資産運用の話であれば金融庁の金融サービス利用者相談室、だまされたかもしれないと感じたら警察相談専用電話「#9110」にも相談できます。
まとめ
この記事のポイント
- 「必ず儲かる」話は、安い入口で信用させてから高額な契約へ進む流れが多い
- 「必ず」「誰でも」「今日決めれば」「借りてでも」「人を紹介すれば」は危険なサイン
- 契約・支払いの前に、お金の入る仕組み、相手の会社と契約の中身、支払いの方法を確かめる
だまされる人が悪いわけではありません。少しでも怪しいと思ったら、お金を払う前に、家族や公的な窓口に相談してください。
困ったとき・迷ったときの相談先
- 消費者ホットライン「188」:お近くの消費生活センターなどにつながります(契約・勧誘のトラブル全般)
- 警察相談専用電話「#9110」:詐欺かもしれない、脅されている、など緊急ではない相談。今まさに被害にあっている・危険が迫っているときは 110 番へ
- 金融庁:無登録の業者か確かめたいとき、投資の勧誘で困ったときは金融庁の公式サイトの相談窓口へ
- 国民生活センター:最新の手口や相談事例は国民生活センターの公式サイトで確認できます
お金を払う前、個人情報を伝える前に、ひとりで決めずに相談してください。